スポーツファンの皆さん、こんにちは!Webライターの中村夏帆です。
普段は海外サッカーの日本人選手の戦術分析なんかをメインにお届けしている私ですが、今回はバスケットボール、それもNBAの胸アツな物語に心を鷲掴みにされてしまいまして…!オクラホマシティ・サンダー(OKC)の、まるで映画のような再建ドラマ、皆さんはもうご存知ですか?
「え、あのサンダーが!?」って驚いている方も、「最近めちゃくちゃ強いけど、昔どうだったっけ?」なんて思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。そうなんです、かつてスーパースターを失い、未来が見えないとまで言われたチームが、今、再び頂点を目指せる位置にいるんですよ!
今回は、その奇跡の復活劇の裏側を、サンダーファンの方も、NBAを最近見始めた方も、そして「強いチームの作り方」に興味がある全てのスポーツ好きの方にも分かりやすく、そして何より「そうそう、そこが知りたかった!」と感じていただけるように、じっくりと紐解いていきたいと思います。
なぜサンダーは、あの絶望から立ち上がり、再び強豪へと返り咲くことができたのか?その秘密を、一緒に見ていきましょう!
衝撃のデュラント移籍…サンダーを襲った「終わりの始まり」とは?
さて、全ての物語には始まりがあります。サンダーの再建ドラマ、その引き金となったのは、2016年夏の出来事でした。
「最強トリオ」解体とエース喪失の衝撃
ケビン・デュラント選手。NBAファンならずとも、その名前を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。サンダーで若きスーパースターとして君臨し、ジェームズ・ハーデン選手(当時)、ラッセル・ウェストブルック選手と共に「最強トリオ」とも称され、将来を嘱望されていました。
しかし、2016年7月4日、デュラント選手は「ゴールデンステート・ウォリアーズと契約する」意向を表明。7月7日には正式契約が結ばれました。移籍先は、前シーズンにNBA記録となる73勝をあげたばかりの、文字通りの「スーパーチーム」だったんです。
この移籍は、NBA界全体に衝撃を与えましたが、地元オクラホマシティのファンにとっては、まさに青天の霹靂でした。
★★一部のファンは、怒りと悲しみからデュラント選手のジャージを燃やす映像をSNSに投稿し、ある少年がニュースを聞いて涙を流す動画は「crying kid」として世界中に拡散されました。★★
「なぜ?」「どうして?」そんな声が渦巻く中、チームの絶対的エースを、それも最大のライバルチームの一つに引き抜かれるという形で失った衝撃は計り知れませんでしたよね…。
ファンが味わった絶望感とチームの低迷
デュラント選手を失ったサンダーは、その後どうなったか。
ラッセル・ウェストブルック選手が孤軍奮闘し、MVPに輝くシーズンもありましたが、チームとしては厳しい戦いが続きました。2016-17シーズンから2018-19シーズンまで、3シーズン連続でプレーオフには進出するものの、全て1回戦敗退。かつてファイナル進出まで果たしたチームの姿は、そこにはありませんでした。
2019-20シーズンもプレーオフ1回戦敗退となり、ファンの間には「もう一度、あの熱狂を味わえる日は来るのだろうか…」そんな深い絶望感が漂っていたと言っても過言ではないでしょう。
まさに、サンダーにとって「終わりの始まり」かのように思えた時期でした。
再建の鍵を握った男、サム・プレスティGMの「静かなる革命」
しかし、皆さん、ここで物語は終わりません。むしろ、ここからがサンダーの真の反撃の序章だったんです!
チームが苦境に喘ぐ中、冷静沈着に、そして大胆に未来への種を蒔き続けた人物がいました。それが、サンダーのGM(ゼネラルマネージャー)、サム・プレスティ氏です。
未来への布石:膨大なドラフト指名権の獲得戦略
プレスティGMは、デュラント選手移籍後もチームに残ったスター選手、例えばポール・ジョージ選手やラッセル・ウェストブルック選手といった顔ぶれを、ファンの心情を考えると断腸の思いだったでしょうが、将来のチーム作りのためにトレードで放出するという決断を下します。
その見返りとして彼が徹底的にこだわったのが、「ドラフト指名権」でした。
◆◆2019年のポール・ジョージ選手、ラッセル・ウェストブルック選手の大型トレードなどにより、サンダーは2020年から2026年までになんと、少なくとも14本もの1巡目指名権を確保したと言われています!◆◆
これはNBAでも異例の数で、まさに「ドラフト指名権コレクター」と呼ばれるほど。目先の勝利よりも、数年後、いや十数年後を見据えた壮大なチーム再建計画が、プレスティGMの頭の中にはあったんですね。
慧眼!SGA獲得という「運命のトレード」の真相
そして、プレスティGMの数々の戦略の中でも、特に「神がかっていた」と言われるのが、2019年のポール・ジョージ選手をロサンゼルス・クリッパーズへ放出したトレードです。
このトレードでサンダーが獲得した選手の中に、当時まだ若手だったシェイ・ギルジャス=アレクサンダー(SGA)選手がいました。
今でこそリーグMVP級の活躍を見せるSGA選手ですが、当時はまだ原石。しかし、プレスティGMは彼の才能を見抜き、将来のチームの中心に据えることを決断したのです。このトレードは、後に「クリッパーズ史上最悪のトレードの一つ」とまで言われるほど、サンダーにとっては大成功、まさに「運命のトレード」となりました。
「信じて待つ」若手育成に賭けたGMの信念
膨大なドラフト指名権と、SGA選手という未来の核。しかし、それだけではチームは強くなりません。
プレスティGMは、獲得した若手選手たちがじっくりと成長できる環境を整えることにも注力しました。目先の勝利に一喜一憂せず、長期的な視点で「信じて待つ」。これは口で言うほど簡単なことではありません。
ファンからのプレッシャーもあるでしょうし、結果が出なければ自身の進退にも関わります。それでもプレスティGMは、その信念を曲げずに、若手中心のチーム作りを推し進めていったのです。
若き才能が大爆発!新世代サンダーはいかにして強くなったのか?
さあ、プレスティGMが蒔いた種は、どのように花開いていったのでしょうか? ここからは、現在のサンダーの強さの秘密に迫っていきましょう!
SGAだけじゃない!ホルムグレン、J-Willら新星たちの躍動
まず何と言っても、チームの絶対的エースへと成長したSGA選手の存在は欠かせません。彼の得点能力、リーダーシップは、今のサンダーの原動力です。
しかし、今のサンダーの強さはSGA選手だけじゃないんです!ここが本当に凄いところ。
2022年のNBAドラフト全体2位で指名されたチェット・ホルムグレン選手は、7フッター(約213cm)の長身ながら、高い守備能力とパスセンスを兼ね備えた「ポスト・モダン型ビッグマン」。ルーキーイヤーこそ怪我で全休しましたが、復帰後はその才能を遺憾なく発揮しています。
同じく2022年ドラフト組のジェイレン・ウィリアムズ選手(通称J-Dub)も、抜群の身体能力とオールラウンドなプレーでチームに貢献。「期待以上の選手」として、SGA選手を支える重要な存在となっています。
彼らのような若き才能が、次々と頭角を現してきたんですね。
デイグノートHCが浸透させた「チームより大きな選手はいない」文化
そして、これらの才能ある若者たちをまとめ上げ、一つの強力なチームへと導いているのが、マーク・デイグノートHC(ヘッドコーチ)です。
彼のコーチングスタイルは、「速い展開」と「フロアスペースの確保」を重視した現代的なオフェンスに加え、選手一人ひとりが連動する高いレベルのチームディフェンスが特徴です。
プレスティGMも「デイグノートの静かなリーダーシップは、若手を育む理想的な環境を提供してくれる」と全幅の信頼を寄せています。何よりも、選手たちに「チームより大きな選手はいない」という規律と、チームのために戦う献身性を浸透させている点が素晴らしいですよね。
◎◎RedditなどのSNSコミュニティでは、デイグノートHCを「最も優れた若手育成コーチ」「混沌をまとまりあるチームに変える才能」と称賛する声が多く見られます。◎◎
個々の才能と、それを最大限に活かすチーム戦術とカルチャー。これが噛み合った時、チームは爆発的な力を生むんですね!
SNSでも話題!サンダーの魅力的なプレースタイルと強さのデータ
その結果、2025年5月28日(現地時間)、サンダーはついに大きな成果を手にします。
ウェスタン・カンファレンスファイナル第5戦でミネソタ・ティンバーウルブズに124-94で圧勝し、4勝1敗でシリーズを制覇!2012年以来となるNBAファイナル進出を決めたのです!
この試合、SGA選手は34得点・8アシスト・7リバウンドとMVP級の活躍。チームとしても、第1クォーターで17点リード、ハーフタイムには33点差をつけるなど、まさに圧巻の強さを見せつけました。今ポストシーズンでは、30点差以上での勝利がNBA史上最多の4回というおまけつき!
この快進撃には、SNSも大いに沸きました。
「この日を待っていた!」9年ぶりの快挙に沸くファンの声とサンダーの未来
長かった…。本当に長かったですよね、サンダーファンの皆さん! あのデュラント選手移籍から約9年。ついに掴んだNBAファイナルへの切符です。
X(旧Twitter)で見つけたファンの感動コメント集
X(旧Twitter)などのSNSでは、サンダーのファイナル進出を祝うファンの声で溢れかえりました。
「SGAたちがチャンピオンシップを獲ったら、KD(デュラント)はめちゃくちゃ叩かれるだろうな…もうそうなるのが目に見えるようだ」といった、過去の出来事と重ね合わせる声。 「MVPがMVPらしいことをしているだけさ」というSGA選手への絶対的な信頼。 そして、Redditのサンダーコミュニティでは、過去の低迷期の成績(例えば22勝50敗)から現在のファイナル進出(68勝14敗でのレギュラーシーズン最高勝率)という躍進を、少し自虐も込めて「信じられない!」と称える投稿も多数見られました。
これらの声一つひとつに、長年チームを応援し続けてきたファンの熱い想いが詰まっているように感じませんか?
地元オクラホマシティとサンダーの特別な絆
オクラホマシティは、NBAの中では比較的小さな市場(スモールマーケット)と言われています。だからこそ、地元チームであるサンダーへの愛着は非常に強く、ファンとチームの絆は特別なものがあります。
今回の快進撃は、選手やチーム関係者だけでなく、オクラホマシティの街全体にとっての大きな喜びであり、誇りとなっていることでしょう。
NBAファイナル、そしてその先へ…サンダーが描く新たな黄金時代
さあ、戦いはまだ続きます。次はいよいよNBAファイナル。相手がどこになるにせよ、厳しい戦いが待っていることは間違いありません。
しかし、今のサンダーには、SGA選手を中心とした若き才能、デイグノートHCの卓越した指導力、そして何よりもプレスティGMが長年かけて築き上げてきた「勝者のメンタリティ」と揺るぎないチームの土台があります。
これは、一過性の成功ではない。サンダーがこれから築き上げていくであろう「新たな黄金時代」の幕開けなのかもしれませんね!
【まとめ】サンダーの再建物語が私たちに教えてくれる「信じる力」
さて、ここまでオクラホマシティ・サンダーの奇跡の再建物語を一緒に見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
絶望的な状況からでも未来は変えられる
デュラント選手という絶対的エースを失い、一時は「終わった」とまで思われたチームが、わずか数年で再びNBAの頂点を争う場所に帰ってきた。この事実は、私たちに「どんなに絶望的な状況からでも、未来は変えられる」 という勇気を与えてくれますよね。
長期的なビジョンと継続的な努力の価値
そして、その裏には、サム・プレスティGMの揺るぎない長期的なビジョンと、それを実現するための緻密な戦略、そして選手たちの弛まぬ努力がありました。目先の成功に囚われず、未来を信じて継続的に努力することの大切さを、改めて教えてくれるようです。
ファンとチームが一体となって掴む成功の喜び
最後に、やはりファンの存在は大きいですよね。苦しい時期もチームを支え続け、信じ続けたからこそ、この歓喜の瞬間がある。選手、コーチ、フロント、そしてファン。その全てが一体となった時にこそ、スポーツはこれほどまでに私たちの心を揺さぶり、大きな感動を与えてくれるのだと、サンダーの物語は証明してくれました。
このサンダーの戦いぶり、そして彼らが紡いできた物語は、他のスモールマーケットのチームや、今まさに再建の苦しみの中にいるチーム、そしてそのファンにとっても、大きな希望の光となるのではないでしょうか。
今後のサンダーの戦いからも、目が離せませんね!